教団と嫌いだった勧誘活動の話〜信仰の傍ら育ち!母と教団とその他な私たち〜

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勧誘活動の活発な教団。母は私たちを巻き込んで勧誘活動を行った

私たちの教団では、教団員を獲得するため、常に周りの人を勧誘するように言われていました。周りの人を入信させることで、大きな徳を積めるという教えがあったからです。母もそんな教団の勧誘活動に、忙しい仕事の合間を縫って参加していました。

仲良くしてくれたガソリンスタンドのお兄さんを勧誘しようとした母

私たちがまだ小学校低学年の頃、母は仕事でよく車を使用していました。
ガソリンを入れにいつも家の近くのガソリンスタンドに行くのですが、そこに母のお気に入り(?)の20代のお兄さんがいました。
子ども好きな人だったので私たちの顔をすぐに覚えてくれ、いつもガソリンを入れるついでに少し遊んでもらっていました。
母は私たちを使ってお兄さんを教団に勧誘しようと試みました。
母から、「ガソリンスタンドのお兄さんを導こうと思ってるんだ。」と聞かされた時、私たち大反対した記憶があります。宗教の勧誘をしたら嫌われる、ということを小学生ながらに理解していたからです。
自分たちが先に仲良くなったお兄さんを母の勧誘に取られたくない!という、独占欲のようなものもあったと思います。

初めて母と行ったカラオケ。おかしな空気の中で行われた勧誘

しかし母はその後いつの間にかお兄さんの連絡先をゲットし、カラオケに誘っていました。
カラオケには母と私たちのほか、教団関係者の女性が1人同席しました。
そして近所のカラオケ店で初回の勧誘が行われたのです。

私たち姉妹は祖母行きつけのカラオケ店に何度か連れて行ってもらったことがあり、カラオケ自体は大好きでした。
カラオケの機械の操作方法や、その時はやっていた曲も学校の友達から聞いて少しは知っていました。
しかし母は普段カラオケなど行きません。
そして教団関係者の女性もプライベートでカラオケなど行きません。
恐らく二人はその頃はやっていた曲も全く知らなかったと思います。
そんな二人がカラオケに来ても、母よりも年配の彼女はカラオケ店で何も歌わずニコニコと微笑むばかり。カラオケに慣れていない母も勝手が分からずあたふた。
部屋の中にはおかしな空気が流れていました。

そうなると完全にその場は子どもである私たちが支配することになるのですが、私たちも空気を読まずはしゃぐ程子どもでもなく、かといってその場を盛り上げられる程の対人スキルはありません。
母ときた初めてのカラオケ、しかも普段教団でしか会わない女性とプライベートで初めて会うお兄さんも一緒…完全にカラオケを楽しむどころではなかったのを覚えています。

宗教だとバレないかずっとドキドキしていた勧誘の時間

さらに私が慌てたのは、妹ぐりがその教団関係者の女性の名前を呼んだ時でした。
ぐりは彼女に懐いていたのですが、彼女は教団に出家しており、普段は教団内で別の名前で呼ばれています。
明らかにあれ?と思う名前なので、その日は事前に、「カラオケでは〇〇さんって呼ぶんだよ。」といつもと違う名前で呼ぶように言われていた私たち。
しかしまだ幼かった妹は、気が緩んだカラオケ中盤に彼女のことをいつもの名前で呼んでしまいました。
しかもスルーせずに「間違えた!」とわざとらしい自主申告付きで。
そしてやばい、宗教ってバレちゃう!と慌てた私もあたふた。大人2人はスルーを決め、そのまま話題を移そうとしていました。
しばらくドキドキしていたのを覚えていますが、特に何事もなかったかのように勧誘時間は過ぎて行きました。

初回はただの顔合わせだったので、こちらが宗教団体である事はその場では明かしませんでした。
教団のやり方ではその後はヨガに誘うのがセオリーだったので、同じようにお兄さんもまた、次はヨガでもやりませんか?と誘われていました。
1990年代は、そこまでヨガが一般的ではなく、私たちも教団以外でヨガという言葉を聞いたことがありません。
ヨガなんていったら宗教ってバレちゃう!と焦りましたが、何も言われませんでした。

その後お兄さんが断ったのか、私たちが子供だから勧誘から外されたのかは分かりませんが、カラオケの後、私たちお兄さんに会うことはありませんでした。
恐らく失敗だったのでしょう。
母もそのガソリンスタンドにはあまり行かなくなったと記憶しています。
今思えば、ただのガソリンスタンドの客であった母に、誘われるがままにカラオケに来るお兄さんもなかなかの強者でした。(当時はやっていたもののけ姫を、2番まで初対面の人の前で歌いあげるような精神の持ち主ではありました。)

その後もずっと周りの人を勧誘するように教団から言われ続け…

私たちが少し大きくなると、教団から父や友達を勧誘しなさいと直接言われました。
中学生の頃には当時はやっていたメル友募集の掲示板に書き込みをさせられ、知らない人と何度かメールのやりとりをさせられたことがあります。
私がそこまで乗り気ではなかったのと、教団関係者も望みが薄いと感じたのかどうかは分かりませんが、やりとりは数回で終わり直接会う事は1度もありませんでした。
子供の頃の私はひたすら宗教に入っていることがばれるのが怖かったので、勧誘には全く積極的になりませんでした。

教団では、自分の行いは将来自分に返ってくると教えられていました。
今、一生懸命他の人に勧誘をして入信させれば、生まれ変わった来世でもまた教団に入ることができると言われています。
母は自分の子どもとはいえ、既に私たち2人を導いていることになっていて、大きな徳を積んだとされていました。
私も誰かを入信させないと、来世で自分が教団と離れてしまう!と、勧誘活動自体は嫌いでも、心の中では少し焦りもありました。

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