*G話につき注意
殺生禁止。害虫に悩まされた子ども時代
教団には殺生を禁止すると言う基本的な教えがありました。
それは、人や動物のみならず虫相手にも適応される教えです。
そのため私たちは家に発生した害虫を駆除することができず、長い間害虫と戦うこととなってしまいました。最も悩まされたのはG(ゴキブリ)です。
長きにわたるゴキブリとの戦い。自作トラップで頑張る母
最初にゴキブリが発生したのは教団から持ち帰った荷物からでした。
教団にはゴキブリがいるのを知っていたので、初めて見たときに特に驚きはしませんでした。
大きくて真っ黒いタイプのゴキブリとは違い、茶色くて小型のチャバネゴキブリです。
物が多く、あちこちに食べこぼしが落ちているわが家。ゴキブリはあっという間に大繁殖しました。
しかし、大繁殖しても殺虫剤を使うことはできません。
そこで教団から教えられたのは、プラスチックのカップの内側にマーガリンを塗り、中にゴキブリの餌を入れた自作のゴキブリホイホイでした。
餌を目当てに入ってきたゴキブリがカップから出ようとしてもマーガリンで滑って出られなくなるという仕組みです。
カップの中にゴキブリを集めても殺すことはできないので、そのまま外に逃します。
こんなゴキブリホイホイ装置がわが家には何個も置いてありました。
しかしカップが倒れていたりバターの塗りが甘かったり…なかなか上手くはいきません。
ゴキブリが死んでしまう前にまめに逃す必要もあるので手間もかかります。
友達に見つかったら気持ち悪がられることも間違いなしです。
しばらくはこのトラップで頑張っていた母でしたが、根本的に家が汚くゴキブリが繁殖するにはとても良い環境だったわが家では、全くゴキブリを減らすことができず。
家に帰ると部屋で十匹近くのゴキブリが待ち構えている、なんてこともよくありました。
結局わが家では手間のかかる自作トラップは辞め、ゴキブリを見たら紙の上などに乗っけて一匹ずつ外に逃がすシンプルな方法が主流になりました。
この頃には母はゴキブリに慣れすぎて素手で掴んで外に捨てていました。
しかし大繁殖したゴキブリはそんなことでは減りません。
あちこちで出没してはあちこちで死んでいます。
ゴキブリの死骸も家中に落ちていたので、遊びに来た友達がそれを見て絶叫すると言うことが頻繁に起こっていました。
あまりのゴキブリの繁殖に、たまりかねた父が殺虫剤を使い母と大喧嘩になることも度々ありました。
結局ゴキブリは住んでいた団地では大繁殖したまま減らすことができず、その後2回の転居を経た現在はほとんど見かけなくなりました。
蟻に頭シラミに…。虫に困らされる日々
その他、蟻にも困らされた経験があります。
1階だったので私たちの食べこぼしなどを狙って蟻が大量に部屋に上がってきます。
これも殺せないので箒で履いて外に出したり、木酢酢で部屋を拭いて予防していました。
木酢酢は一定の効果がありましたが、まだ幼かった私たちとずぼらな母。
結局木酢酢での対策は続かず、食べこぼしがあると母に怒られ、しばらくはアリにも悩まされ続けました。
さらには私たちが小学校低学年の頃、姉妹揃って頭シラミがついたことがあります。
母は頭シラミも目の細かい櫛でとかして殺さずに少しずつ減らそうと頑張っていましたが、結局祖母が頭シラミ用駆除用のシャンプーを使いました。
母に相談なく使ったのでここでも母と口論になっていたと思います。
また、足にたかる蚊を叩くこともできず、いつも必死に追い払っていました。
芝生にはたくさんの虫がいるので踏んではいけないと、芝生を歩くことも避けるように言われていました。
現在は姉妹揃って虫嫌いです。
特にゴキブリは、また大繁殖するのでは?という恐怖もあり見かけただけで大絶叫です。